みなさんこんにちは、しばです。
みなさん、毎日の筋トレ頑張っていますか!?
筋トレ以外にも、スポーツされている方、張り切っていますか!?
僕は毎日筋トレにいそしんでいます!笑
筋トレで筋肉を大きくするには、「筋肉を破壊→再生」を繰り返すことによって筋繊維が太くなり、筋肉が大きくなっていく反応を利用しています。
筋トレでボディメイクをしていらっしゃる方には「そんなこと知ってるよ!」と言われてしまいそうですが…。
では、筋肉が壊れたかどうか調べる方法って知っていますか?
筋肉が壊されると、血液中にあるものが増えてきます。
それが今回の主役、「クレアチンキナーゼ」です!
今回は、そのクレアチンキナーゼという物質が、筋トレ前と後ではいったいどれくらい差があるのか実験していきたいと思います。
はたして、僕の筋トレには科学的に効果はあるのでしょうか、無いのでしょうか??
さっそくいってみましょう!
クレアチンキナーゼは、個人で簡単に測れるというものではありません。普段使えないなら興味ないという方はここでお帰りいただいた方がよろしいかと思います。
クレアチンキナーゼ(CK)ってなに?
クレアチンキナーゼ(creatine kinase)(以下CK)の分子量は約81000で、筋型(M)と言われるものと、脳型(B)といわれるものの2種類があります。
その二つの組み合わせから、各臓器によって分布が異なっています。
【各臓器の主要分布】
脳:BB型 骨格筋:MM型 心臓:MB型
(筋肉は”マッスルマッスル”と覚えよう!)
割合としてはCK-MMが約95%、CK-MBが約4%、CK-BBが約1%となっています。
CKの体内での働きは、酵素としての役割を担っています。
CKは酵素の一つで、クレアチンリン酸の合成・分解を触媒して、以下の反応に関与しています。
【Lohman反応】
ATP+creatine (pH9.0) → creatine phosphate+ADP
ATP+creatine (pH7.4) ← creatine phosphate+ADP
※creatine phosphate=クレアチンリン酸
どういうことかというと、CKはクレアチンを触媒してクレアチンリン酸と平衡を保ち、ATPというエネルギー源の供給に関与しています。
もっと簡潔に言うと、「クレアチンがクレアチンリン酸に変わるときにエネルギーが作られる。それを行っているのがCK」ということになります。
つまり、CKがあるから筋肉でエネルギーが作られ、重いダンベルを持ち上げることができるのです。
サプリメントのクレアチンを飲んでいる方もいると思いますが、このCKが無かったら何の意味も持たないんですね(CKスゴイ!)。
酵素といえば、日常生活の中でも幅広く応用されていますよね。
「酵素の力であなたもきれいに!」なんてうたい文句、どこかで聞いたことありませんか。
一時期ブームにもなった麹や、今ではドリンクや入浴剤なんかにも入っているみたいですね。酵素の作用を活かしたサプリメントなんかもドラッグストアでよく見かけます。
(酵素の働きについては別の記事で詳しく説明する予定です)
↓
追加しました
他にも、CKには以下のような特徴があります。
・半減期(血中の値が半分まで減る時間)は約15時間。
・男性は女性よりも10~30U/ℓ高値である。
・幼児は成人の約2~4倍高値であり、生後10日くらいで成人と同じ値になる。
・成人の生理的変動幅(特に疾患などがなくても動く値)は大きく、筋肉運動により数千にまで上昇することもある。
血液中のCKの値は、CKが多く存在する骨格筋や心筋、脳などに障害が起こると活性が上昇します。
今回の実験に当てはめると、「筋トレによって筋肉が障害され、CKの値が上がる」ということになります。まさに、特徴の一番下に書いてあることですね。
他にも、筋肉内注射で薬剤の種類によっては注射後12時間ほどで200~2000U/ℓまで上昇することがあるようです(筋肉注射って、そんなに筋肉にダメージ与えてたんですね)。
また、マラソンなどの激しい運動を行うと基準値の100倍以上に達することもあるようです!
半減期は短いわけではないので、一回上昇すると数日間はその影響が残ります。
CKの体内分布はどうなっているのでしょうか。
CKが最も多量に含まれているのは骨格筋です。そのほとんど全てがCK-MM型です。
心筋に含まれているCKは骨格筋の約1/5で、CK-MM型が約80%、CK-MB型が約20%含まれています。
脳に含まれているCKは約1/20で、ほとんど全てがCK-BB型です。
このほかの臓器(肝・腎・消化管・肺・前立腺・子宮など)にも含まれていますが、活性は低く、CK-BB型が主体です。
実際に、筋トレした翌日にCKの値を測ってみた!
では実際に、筋トレ後にCKの値がどれくらい上昇するのか実験していきたいと思います。
今回は、前日の20:00頃に胸のトレーニングをし、翌日の16:00頃の採血結果から数字を出しています。
ところで、CKは普通どのくらいの値なのでしょうか。見てみることにしましょう。
CK基準値
男性:60~250U/ℓ 女性:50~170U/ℓ
(基準値は施設によって異なる場合があります)
私は男ですので、60~250の間に入っていれば、特に異常はないでしょうという事になります。
逆にいうと、この値の範囲内に入っていれば、筋トレしてない人と同じレベル、つまり、化学的には筋肉にダメージが出ていないということになります!(=筋トレの効果なし!?)
…なんだかドキドキしますね(笑)。
あれだけ歯を食いしばって辛い思いをしているのに、普通の人と変わらないとなったらかなり凹みます…。
ちなみに、筋トレ前の値は264でした。いたって普通ですね。
実際の測定
採血した血液は、そのままの状態では検査に使えないので、機械で測れるように処理をします。
流れとしては、
採血
↓
遠心(血をグルグル回して機械で測れる状態にする)。この操作で血液が液体の部分と個体の部分に分かれます。検査に使うのは液体の部分です。
↓
専用の機械で測定
↓
結果が出るまで約10分待ちます。
結果は…!?
測定の結果、CKの値は…
956でした!
基準値を大幅に超えましたね!(ちょっとうれしい)
この値から、どれほど筋トレで追い込めているのかまでは分かりませんが、少なくとも、昨日の筋トレは筋を破壊するまでに至ったという事です。
もし、筋トレ後に採血するような場面に出くわしたら
筋肉をいじめ抜いている方たちは注意が必要です!
今回の私の結果のように、激しいウェイトトレーニングでは筋肉が壊れ、CKの値がかなり高値を示していることが予想されます。
診察時に何があったか効かれる可能性が高いので、正直に「筋肉いじめ抜いてます、筋トレしています」と言いましょう。
間違っても適当なことは言わないでください!
おわりに
今回は、医療と筋トレを交えて説明させてもらいました。
今日では、筋トレも科学で解明される時代になってきています。
効果があるのかないのか、数字で証明されるような論文も数多く発表されています。
数字がすべてではないですが、やはり理論は大事だと思います。
理論と経験、両方からアプローチできるとより効率のいい筋トレができるかもしれませんね!
それでは、また!