みなさんこんにちは、しばです。
あなたは、「低GI」という言葉を耳にしたことはありますか?
健康は、いつの時代も生きていく上での大きなテーマです。
最近はコンビニなどでもローカーボ商品なんていうのが出回っていて、目にする機会もあるかと思います。
他にも、脂質0のヨーグルトや、低糖質デザートなんていうのも良く目にします。
体は食べたものでできているので、なるべく体にいいものを摂りたいですよね。
もしかしたらあなたも「炭水化物は体に悪いから控えないと」なんてイメージを持っているかもしれません。
でも、同じ炭水化物でも、脂肪になりやすい食品となりにくい食品があるのをご存じですか?
同じ炭水化物なのに、どういった違いがあるんでしょうか。
今回は、意外と知られていない「低GI」食品について説明していきたいと思います。
低GIとは何か?
まず最初に、今回のメインテーマ、低GIの意味について説明したいと思います。


グリセミック・インデックスとは、簡単に言うと「食後の血糖値の上昇速度を数字で表したもの」です。
GIはトロント大学のジェンキンス博士らが1981年に発表した概念です。食べ物の血糖値の上がりやすさを指標としたもので、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示します。
食事から摂られた糖質は、グルコースという糖分の小さな単位まで分解された後、体の中に吸収されます。その吸収の速さを数字で表し、ランク分けしたものがGIです。
最も吸収の早いグルコースを基準に、GIが70以上の食品を高GI食品、56~69を中GI食品、55以下を低GI食品としています。
WHOから「過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを、低GI食品が低減させる可能性がある」というレポートが出されてから低GI食品に対する注目が増え、メーカーから食物繊維を多く含んだ低GI食品が数多く研究、開発されてきました。
血糖値の上昇が穏やかな低GI食品は、外食の機会が増えた現代において、肥満や生活習慣病、メタボリックシンドロームの予防・改善につながる可能性として注目されています。
血糖値が上がるメカニズム
食事をすると、食べ物に含まれていた糖分(グルコース)が血管内に取り込まれて肝臓に運ばれます。
グルコースは体にとって大切なエネルギー源ですので、全身に分配してあげないといけません。
肝臓に運ばれたグルコースは、肝臓に蓄えられる分を除いて全身に運ばれます。血糖値が上昇するのはこの時です。
血糖値の上昇を膵臓が察知して、インスリンというホルモンを分泌します。
インスリンは、グルコースを細胞の中に取り込み、血糖値を下げる働きがあります。この時、血糖値が下がります。
取り込まれたグルコースが多いほど、インスリンの分泌も多くなります。
つまり、糖分が多く含まれる食事をとると、それだけ細胞の中にグルコースを貯めやすくなるということです。
これは肥満の原因につながります。
同じ糖質量でも血糖値上昇に差が出る
食品のパッケージには「炭水化物 ○g」と表記されています。
「炭水化物=血糖値が上がる」というイメージがありますが、同じ炭水化物でも血糖値の上昇に差が出るのです。
大豆焼き菓子と、お米で作ったせんべいを食べ比べてみると、大豆焼き菓子は血糖値上昇が穏やかなのに対し、せんべいは血糖値が急激に上昇してしまいます。


炭水化物とは、糖質と食物繊維が合わさったものです。
同じ炭水化物であっても、糖質の割合が多いか、食物繊維の割合が多いかで血糖値の上昇に差が出てきます。
食物繊維が多く含まれているほど、糖質の消化・吸収が緩やかになります。
先ほどの大豆焼き菓子は食物繊維が豊富なため、血糖値の上昇が緩やかでしたが、せんべいは米でできており、糖質の割合が多いために血糖値の法相が急激だったのです。
高カロリー=高GIではない


よく「カロリーが多いものが血糖値を上げやすい」と思っている人もいますが、カロリーが高いのと血糖値が上がりやすいのは必ずしも同じではありません。
食品には、炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素があります。
三大栄養素が多く含まれる食品
・炭水化物(糖質+食物繊維):白米、パン、麺類、果物、砂糖、野菜など
・タンパク質:肉類、魚介類、卵、乳製品、大豆製品など
・脂質:油、脂類
一般的に、食後に血糖値を上げやすい食品は、炭水化物の含有量が多い食品です。
同じカロリーでも、タンパク質や脂質が多く含まれている食品では、炭水化物が多く含まれている食品に比べて、食後の血糖値の上昇は緩やかです。
スーパーやコンビニで買う食品のパッケージには、三大栄養素がどれくらい含まれているか表記があるはずです。
食後の血糖値上昇を抑えたいなら、なるべく炭水化物の量が少ないものを選ぶと良いでしょう。
ただし、血糖値の上昇を嫌って炭水化物を極端に減らすと、満腹感が得られず、タンパク質や脂質を多く摂りすぎてしまう可能性があります。
食事は、バランスよく摂ることが重要です。
※農林水産省のホームページ
「食事バランスガイド」http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/kakudaizu.html
低GI・高GI食品の違い
食品に含まれている炭水化物の量が同じであっても、食物繊維がどれだけ含まれているかで血糖値の上昇が違ってきます。
食物繊維が多く含まれている食品ほど、血糖値の上昇が穏やかであるということが研究から分かっています。
同じご飯でも、白米は高GI、五穀米は低GI、同じパンでも食パンは高GI、全粒粉パンは低GIです。
高GI食品は、食後に血糖値を急激に上昇させるため、膵臓からインスリンが多量に分泌されます。膵臓に負担がかかるだけでなく、インスリンの分泌が追いつかず、血糖値を下げきれないといったことにもつながります。
インスリンには糖分を脂肪として体内に蓄える役割と、脂肪組織の分解を防ぐ役割があるので、多量のインスリンが分泌されるということは、脂肪がつきやすいということになります。
反対に、低GI食費は食後の血糖値の上昇が緩やかで、インスリンの分泌も少量で済むので、脂肪がつきにくいということです。
血糖に関する書籍
セカンドミール効果


セカンドミール効果とは、GIの提唱者であるジェンキンス博士が1982年に発表した概念です。
最初に摂る食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値に影響を及ぼすことを発見し、セカンドミール効果と名付けました。
例えば、おやつに低GIの食品を食べた場合、何も食べなかった時と比べて、夕飯時の食事での血糖値上昇が緩やかになるということです。
これは、食物繊維の多く含まれる食品(大豆などのマメ科植物)は炭水化物の分解・吸収を遅らせ、食後の血糖値上昇を穏やかにする効果があるためです。この効果が、セカンドミールにも影響を与え、血糖をコントロールしてくれるのです。


ジェンキンス博士らは、セカンドミール効果を次の実験で証明しました。
第1食を米菓子、大豆焼き菓子、食事なし(水)の3グループに分けて摂取してもらい、第2食を3時間後に共通の市販食品を食べてもらいました。
3グループそれぞれ食後血糖値の上昇具合を比べてみると、次のような結果になりました。
第1食後の血糖値
・米菓子 → 血糖値が高い値まで上昇
・大豆焼き菓子 → 血糖値の上昇は緩やか
・食事なし(水)→ 血糖値の上昇なし
第2食後の血糖値
・米菓子 → 血糖値が高い値まで上昇
・大豆焼き菓子 → 血糖値の上昇は緩やか
・食事なし(水)→ 米菓子のグループとほぼ同じ値まで血糖値が上昇
この結果から、焼き菓子を食べたグループの方が、他の2グループよりも第2食後の血糖値上昇が緩やかであったということが分かりました。
大豆焼き菓子は、第1食目の時も血糖値上昇が穏やかであり、体に負担をかけるようなこともありません。
また、低GI食品は消化・吸収が遅いため、腹持ちがいいことも特徴です。
間食に低GI食品を摂ることで満腹感も得られ、次の食事の血糖値上昇も抑えてくれるのです。
おやつは悪者じゃない
おやつなどの間食は体に良くないというイメージないですか?
確かに、ケーキやクレープなど糖分・脂質が多く含まれた食品は体に負担をかけてしまいますが、一概におやつは良くないとは言い切れません。
おやつを食べたいのに無理に我慢しているとストレスが溜まってしまったり、おやつを食べなかった空腹に対する反動で、食事を多くとりすぎてしまう原因にもなります。
そこで、低GI食品の出番です。
低GI食品を摂ることで空腹感も満たされ、先に説明したセカンドミール効果も期待できて一石二鳥です。
ただ好きなものを食べるのではなく、体に良いものを選んで食べることで、おやつの時間を有効に使うことが出来ます。
おやつにおススメの低GI食品
- リンゴ
- ヨーグルト
- バナナ
- 大豆焼き菓子
- クリームチーズ
- アーモンド
- プリン
代表的な食品のGI値
それでは、日常でよく目にする食品のGI値を見てみましょう。
※あいうえお順
食品名 | GI値 | 食品名 | GI値 |
アーモンド | 30 | 人工甘味料 | 10 |
アイスクリーム | 65 | すいか | 60 |
あじ | 40 | スパゲッティ(乾) | 65 |
あじ(干物) | 45 | スパゲッティ(全粒粉) | 50 |
味付けのり | 15 | 全粒粉パン | 50 |
あずき(缶) | 45 | そうめん(乾) | 68 |
あずき(乾燥) | 45 | そば(乾) | 54 |
厚揚げ | 46 | 中華麺(揚) | 71 |
あなご | 45 | チョコレート | 91 |
油揚げ | 43 | ツナ缶 | 40 |
あめ | 41 | 低脂肪乳 | 26 |
インスタントラーメン | 73 | ドーナツ | 86 |
うどん(乾) | 85 | 鶏 ささみ | 45 |
うどん(生) | 80 | 納豆 | 33 |
うなぎ(蒲焼) | 43 | ナン | 82 |
枝豆 | 30 | 日本酒(純米酒) | 35 |
オートミール | 55 | はちみつ | 88 |
オレンジジュース | 42 | パン粉(乾燥) | 70 |
柿 | 37 | 豚 バラ | 45 |
菓子パン類(あんぱん) | 95 | フランスパン | 93 |
カステラ | 69 | プリン | 52 |
片栗粉 | 65 | プレーンヨーグルト | 25 |
カフェオレ | 39 | ピーナッツ | 28 |
かぼちゃ | 65 | ベーコン | 49 |
かりんとう | 84 | ホットケーキ | 80 |
クッキー | 77 | ポテトチップス | 60 |
くり | 60 | マーガリン | 31 |
グリーンアスパラガス | 25 | みかん | 33 |
くるみ | 18 | 水あめ | 93 |
グレープフルーツ | 31 | みそ(合わせ) | 34 |
クロワッサン | 68 | 無脂肪乳 | 25 |
ケーキ(チーズ) | 75 | メープルシロップ | 73 |
ケーキ(チョコレート) | 80 | もち | 85 |
ケーキ(生クリーム) | 82 | 桃 | 41 |
ケチャップ | 30 | やまいも | 75 |
キャベツ | 26 | ゆず(果汁) | 18 |
牛肉 サーロイン | 45 | ライ麦パン | 58 |
コーヒー(無糖) | 16 | ラム(ロース) | 45 |
ココア | 47 | りんご | 36 |
五穀米 | 55 | りんご酢 | 3 |
こんにゃく | 24 | レーズン | 57 |
さくらんぼ | 37 | レモン | 34 |
ジャム(いちご) | 82 | れんこん | 38 |
焼酎(甲類) | 30 | ロースハム | 46 |
しょうゆ(薄口) | 9 | ワイン | 32 |
食パン | 91 | ワインビネガー | 2 |
本日のまとめ


カロリーや糖質の量ばかりに目が行きがちですが、GI値の低い食品をうまく取り入れることが大切です。
食品のカロリーと一緒にGI値も気にしてもらえると、より一層健康的な食事を摂ることができます。
食べたいものを我慢するのはストレスを溜めてしまう原因になります。
食べたいものを無理に我慢するのではなく、食べる食品に気を使ったり、食べる順番を工夫したりしましょう。
いつまでも健康的で、美味しいものを食べる喜びを忘れずにいましょう!
それでは、また!