みなさんこんにちは、しばです。
毎日の食事、タンパク質の量は気にしていますか?
気にしていない?
それはいけませんね。
タンパク質は意識しないと食事からの摂取量が不足してしまう栄養素なので、しっかりとと摂るようにしましょう。
もちろん気にしている?
では何故タンパク質を気にして摂っているのでしょうか。
そもそも、タンパク質って何でしょうか。
タンパク質の成り立ちや性質を紹介したいと思います。
「あれ、こんなものまでタンパク質なの?」なんてものまであるかもしれませんよ。
では、さっそくいってみましょう!
タンパク質とは
タンパク質は生体を構成する主要な成分で、その量は水の次に多く、約150g/kg体重です。
タンパク質の主な働きとしては、良く知られているのはホルモンとしての作用だと思います。
他にも、生命の維持に重要な物質の輸送や情報伝達をしたり、酵素の働きをしたりもします。
筋トレが好きな方には最も興味の湧きそうな、筋収縮にも関わっています。
病原体から体を守る免疫反応にも関わっていたり、少し難しい話では膠質浸透圧なんていうのにも関わっています。
ざっと挙げただけでも、タンパク質の働きにはこれだけ多くのものがあるんです。
タンパク質の主な働き
- ホルモン作用
- 生命維持に必要な物質の輸送
- 情報伝達
- 酵素活性
- 筋収縮
- 免疫反応
- 膠質浸透圧


タンパク質はアミノ酸が集まって出来たものです。
筋トレで普段からプロテインを摂取されている人には馴染みがあるかもしれませんが、あのプロテインを細かく分解していくとアミノ酸になります。
英語で書くと「Protein プロテイン」です。
プロテインと聞くと、マッチョが飲んでる体をでかくする薬剤みたいなイメージもありますが、単純にタンパク質のことを指しているだけです。

タンパク質の種類
タンパク質には、純水にアミノ酸のみからなる単純タンパク質の他に、単純タンパク質に糖鎖や脂質などがくっついた状態で機能する複合タンパク質というものがあります。
また、単純タンパク質、複合タンパク質の一部を人工的に変性させたものを誘導タンパク質とい言います。


単純タンパク質
- アルブミン:栄養状態の指標となる
- グロブリン:抗体など免疫反応に関わる
- 硬タンパク:毛、爪のケラチン、コラーゲンなど
複合タンパク質
- 糖タンパク:タンパク質に糖が結合したもの。血清中の糖タンパク質など。
- 色素タンパク:タンパク質に色素が結合したもの。色がある。赤血球中のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンなど。
- リポタンパク:タンパク質に脂質が結合したもの。血清中のリポタンパク質。
機能によるタンパク質の分類
- 酵素
- 輸送体:ヘモグロビン、リポタンパク
- 受容体:ホルモン受容体
- 抗体・補体:IgG、IgA、IgMなどの免疫グロブリン
- ホルモン:インスリン、グルカゴン、ACTH
- 貯蔵タンパク:カゼイン、アルブミン
- 構造タンパク:コラーゲン、ケラチン
タンパク質の特徴
タンパク質はアミノ酸の集まり
タンパク質とアミノ酸という言葉は、セットでよく耳にすることがあるかと思います。
それもそのはず、この2つは切っても切れない関係なんです!
自然界には約300種類ものアミノ酸が存在していますが、そのアミノ酸がいくつも結合してできたものこそがタンパク質なのです。
とは言っても、タンパク質を構成しているアミノ酸は20種類ほどです。
一部の例外を除いて、タンパク質はL-α-アミノ酸というアミノ酸からできています。
タンパク質を構成しているアミノ酸は全てL-α-アミノ酸
※グリシン、プロリンは例外
タンパク質を構成しているアミノ酸の種類
全てのタンパク質はアミノ酸から構成されていますが、アミノ酸の種類によってタンパク質の持つ性質も変わってきます。
タンパク質を構成しているアミノ酸も、遺伝子配列のR基という場所の構造の違いによって性質が異なってきます。
こうして考えると、本当に細かいものの積み重ねで大きなものが出来上がっていることが良く分かります。
では、タンパク質を構成しているアミノ酸の種類を見てみましょう。
酸性アミノ酸 |
アスパラギン酸 グルタミン酸 |
|
中性アミノ酸 | 脂肪族アミノ酸 |
グリシン アラニン バリン ロイシン イソロイシン |
ω酸アミド |
アスパラギン グルタミン |
|
ヒドロキシアミノ酸 |
セリン スレオニン |
|
含硫アミノ酸 |
メチオニン システイン |
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芳香族アミノ酸 |
チロシン フェニルアラニン |
|
複素環アミノ酸 |
トリプトファン プロリン ヒドロキシプロリン |
|
塩基性アミノ酸 |
リジン ヒスチジン アルギニン |
アミノ酸はこのように分類されるのですが、この中でもバリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファンは人の体内では合成することが出来ない必須アミノ酸と呼ばれています。
体の中で合成が出来ないので、食事から摂るしかない重要なアミノ酸です。
ヒスチジンは、大人の場合は体内で合成する量で十分なのですが、幼児期では合成する量だけでは不足してしまうため、幼児期必須アミノ酸と呼ばれています。
必須アミノ酸
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- スレオニン
- メチオニン
- リジン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
※ヒスチジン(幼児期)
人は、成長や健康を維持するために必須アミノ酸を含む食事を摂らなければいけません。
必須アミノ酸のうち、どれかが欠乏した状態になると成長が止まり、体重が減少してしまいます。
また、体内で足りないアミノ酸があると、アミノ酸の利用効率は足りないアミノ酸に引っ張られて低下してしまします。
タンパク質の検査への応用
血液中に存在しているタンパク質は、その性質を利用して医療の現場に応用されています。
例えば、糖鎖を含まない単純タンパク質のアルブミンは体の栄養状態の指標として使われています。
同じように、栄養状態の指標として使われているものにはトランスサイレチン(TTR)やレチノール結合蛋白(RBP)などがあります。
CRPというタンパク質は、外傷・炎症・感染・アレルギー・自己免疫性疾患・悪性腫瘍等で血中濃度が上昇するため、急性相反応物質と呼ばれ、体内で炎症などの異常が起こっていないかを調べるための指標として使われています。
タンパク質は、その性質から⊕または⊖に荷電しています。
電気泳動という方法で血液中のタンパク質に電気を通すと、それぞれのタンパク質の荷電状態でタンパク質を分類することが出来ます。この分類のされ方から、体にどのような異常が起こっているかを発見することが出来ます。
本日のまとめ
一言でタンパク質と言っても、種類や性質がいろいろあるんですね。
体中に酸素を運んだり(ヘモグロビン)、爪や髪の毛を作っていたり、ホルモンの働きをしていたり、すごい働き者です。
体内の構成成分では水の次に多いので、タンパク質を摂ることは非常に重要です。
ただ、日本食ではあまりタンパク質を多く取れないので、食事をする際にはタンパク質の量を意識してあげることが大事です。
肉や魚にはタンパク質が豊富に含まれていますので、一日の食事の中でうまく摂り入れるようにしましょう。
それでは、また!